乗り間違い
前回の記事の続きのような内容になってしまうが、今回は旅行先の東京から、地元の大阪へ帰ってきた時の話を書こうと思う。
普通に新幹線に乗るのではなく、ホテルと新幹線がセットになったツアーに申し込んだほうが旅費の節約になるという話を前回の記事で書いた。
より安く新幹線に乗るためには「こだま」に乗らなければならなかったりする……という話も書いた。
単純な話、行きも帰りも「こだま」に乗れば、相当安くなるという事だが、厄介な事がある。
一番帰りたいと思う、夕方〜夜の時間帯には、東京から新大阪まで直通する「こだま」が設定されていないのだ。
正確には、15:56東京発→19:50分新大阪着の便を逃すと、19:26発→23:26着の最終便まで、新大阪行きの「こだま」の設定が無い。
名古屋止まりの列車なら、この時間でもそれなりに設定があるのだが、名古屋より西へ夕方時間帯に帰ろうとすると、どうしても「のぞみ」か「ひかり」を使わざるを得なくなる。
しかも厄介な事に、こだまが走らない時間帯の「のぞみ」と「ひかり」は、ツアーの場合でも値段が高く設定されているという事だ。
20:00以降の便は、そこそこ値段設定が良心的になるのだが、新大阪に着くのが遅くなってしまう欠点がある。
終電間際に新大阪に到着する「こだま」は選択肢にならない。
問題は、早く帰る事を優先して「夕方の高いのぞみ」に乗るか、遅くなる事を割り切って「夜の安いのぞみ」に乗るかという二択で、私は迷った末に「安さ」を重視して、20:10発→22:40着の「のぞみ」を選択した。
かなり遅い時間になってしまうが、最終の「こだま」よりは早く着くので、許容範囲だ。
ところが、夜遅くの便を選んでしまった事で、思わぬトラブルを誘発してしまうのである。
22時40分、新大阪に到着。
夜遅い時間帯という事で、駅構内の売店はほとんどシャッターが下りている。
電車から降りて改札に向かう旅客を除けば、人通りはがらんとしていて、昼間の賑わいが嘘のようだ。
その様子を見て、終電までは余裕があるものの、なんとなく急いだほうがよさそうな気分になり、改札口へと急ぎ足になる。
新大阪から大阪駅へ向かうべく、在来線ホーム急いでいると、ちょうど電車が到着した模様。
「早く帰らなければ」という思いが何よりも勝り、エスカレーターを一目散に駆け下りて、電車に飛び乗った。
どうにか間に合った……とホッとしたのも束の間。
電車が動き始めると同時に、違和感を覚える。
動く方向が、いつもと逆のような気がするーー。
間も無く車内放送が入り、嫌な予感は的中する。
「新快速米原行きです。次は高槻、高槻です。高槻を出ますと、次は京都に止まります」
あ゛ーーーーっ!!!
逆方向に乗ってしまった!
電車で逆方向に乗ってしまうなど、覚えている限り人生初だ。
しかも地元の電車で。
このような失態を侵すとは、自分でも予想していなかった。
夜遅いという焦りが招いた「うっかり」であったとしか言いようがない。
よりにもよって乗ってしまったのは、途中駅をすっ飛ばして快走する新快速。
次の駅で降りて引き返す事も叶わず、猛スピードで大阪から20kmほど離れた高槻へドナドナされてしまった。
一刻も早く逆方向に戻らなければ。
という焦りゆえ、時刻を見る余裕はなかったが、23:00を過ぎていただろうか。
高槻駅に到着し、大阪方面行きのホームへ。
幸いな事に、次に来る逆方向の電車も新快速。
これに乗れば、最速で引き返せるーー。
……と、安堵したのだが、まだ悲劇は待っていた。
あれっ、向こうの線路に新快速が入線した!?
この時私は「高槻駅では列車種別ごとに発着するホームが違う」という事を知る。
またやっちまった……。
跨線橋を渡り、向こうの乗り場へ移動しても間に合うはずがない。
結局その場に止まり、やってきた普通電車に乗車。
やはり各駅鈍行は遅い!
7分くらい余分に時間をかけて、23:30くらいに大阪駅へ到着。
この時、電車の中で「各方面への最終列車が近づいております。この先もお乗り遅れないよう、お気をつけてお帰りください」という放送を始めて聞いたのが、新鮮な体験だった。
どうにかその後のトラブルは無く、てっぺんを少し回ったくらいの時間に自宅へ到着。
安い値段につられて遅い便の新幹線に乗ったため、安物買いの銭失い……にはならなかったが、時間失いにはなってしまった。
ケアレスミスとはいえ、やはり「安い」という事は、多少のリスクを覚悟しなければならない事を、悟ったのであった。
疲れた……。
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