激辛カップ麺
先日、昼食でコンビニのカップラーメンを食べた。
カップ麺といっても、ありきたりな味は食べ尽くしているので、何か変わった商品が無いかと陳列棚を眺める。
すると、一つのパッケージに目が止まった。
辛辛魚。
勘亭流っぽいイカつい書体で、大々的に「辛辛魚」と、赤黒い字で書かれている。
手に取って蓋のイメージ写真に目をやると、麺やスープよりも存在を自己主張しているのは、業火の如く真っ赤な粉であった。
粉状に加工されたトンガラシの山が、スープの上に浮遊しているのだ。
このビジュアルを見ただけで、これはヤバイ食品であると、十分直感できたのだが……。
買ってしまった。
私は大変臆病な性格で、チャレンジには消極的なのだが、とびきり辛い物は大好物だ。
狂気を感じるイメージ写真に、最初はドン引きしたのだが、食べた時の舌を焼く辛さを想像すると、唾の分泌がどうしても盛んになってしまうのである。
そして悩んだ末、購入を決断。
リスクを冒してでも、辛い物を食べたいという欲求が勝った瞬間であった。
お湯を入れて、5分。
袋に入った赤い粉を全てぶち込んで完成。
……うん、やっぱり見た目がすでにアレだ。
元々かなり濃いオレンジ色だったスープが、真っ赤な粉末を投入することで、地獄のマグマのように赤黒く変色した。
スパイスの量を考慮せず、ありったけ入れてしまった事に後悔すると同時に、微かな恍惚を禁じ得無い。
いよいよ一口目を啜る。
辛い!
予想を裏切らない辛さだ。
というか熱い。いや痛い。そしてむせる。
スパイスの成分が「これでもか!」というくらいに、口内を刺激してくる。
しかし、ただ辛いだけではなく、その中に魚介の旨味が混ざっているのだ。
正確には、これはカツオの香りだろうか。
魚の旨味が食欲を掻き立て、燃えるような辛味と刺激味に苛まれながらも、食べ続ける事をやめられない。
辛さを体感すればするほど、もっと味わいたいという中毒的欲求が現れ、麺を食すだけでは飽き足らず、赤黒い溶岩のようなスープを飲んでみる。
辛い!辛い!辛い!辛い!辛い!辛い!辛い!かr(以下略
でもやっぱり旨い!!!
もうこの時点で、口の神経がマッハだ。
あと、スープで腹が満たされてゆくごとに、胃が燃えるような感覚がしていたが、もはやそんな事はどうでもよく、美味すぎたので全て飲み干した。
大満足である。
3時間後
夕方の休憩中にコーヒーを飲んでいると、胃腸に違和感を覚えた。
水分を摂取する事で、固まっていた便がゆるくなっているのだろうが、それだけではなさそうだった。
腸のあたりが痛い……いや、熱い……?
胃の下部にある内臓の中で、何かが煮えたぎっているような感覚がするのである。
外部からではなく、内部からヒリヒリと焼けるような感じだ。
という異変に気がついてから、猛烈な便意を催すまでに、さほど時間はかからなかった。
ただの大便ではなくて、何かとても良くない物が、肛門手前に差し掛かっている。
腸を捻られているような痛みと格闘しながら、急いでトイレに入った。
ア●ルが! アナ●が燃えている!!
我慢した後の用足しは、極楽のような快感に浸れる事が多いのだが、今回は違う。
尻穴を焼かれるような激痛。
痛いというよりは熱く、まるで肛門から溶岩を出しているかのようだった。
どうにか奔流が落ち着いたので、自分の排泄物を恐る恐る見たところ、そこにあったのは火焔のように真っ赤なウ●コであった。
原因は言うまでもなく、数時間前に食べた激辛ラーメンだろう。
あの時、山のように摂取したスパイスが消化される事なく、そのまま排泄されてしまったのだ。
辛味の耐性は十分あると自負していたのだが、よく考えると自分は胃腸が貧弱なほうで、刺激しかないスープを飲み干すなど、やめておくべきだったのかもしれない。
これでまた一つ、教訓を得ることができた。
激辛の食事とは、食べた後が怖いのだと。
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